CORAL カスタム (X-Z)

6th STEP

◎ネットワークの交換 

標準ネットワーク

ノーマル

新ネットワーク

ネットワーク交換後(左半分ウーファー用、右半分スコーカーとトゥイーター用)

スピーカー内部の配線交換で音質がある程度改善することを実感した私は、「それでは、ネットワーク自体をもっと高品質にしたらどうだろう?」と思いました。

計算が苦手な私でも、ノーマルとほぼ同じ回路設計のまま、パーツを交換するだけなら出来そうなので、実行することにしました。

電解コンデンサをフィルムコンデンサに、鉄芯入りコイルを箔巻コイルに、セメント抵抗を酸化金属皮膜抵抗にアップグレードする方法です。

また、その際トゥイーター/スコーカーとウーファーのネットワークを切り離し、バイワイヤ接続が可能になるようにしました。

 

交換の効果は、素晴らしいです。ノーマルのネットワークは、ユニットと箱の能力をフル活用できていなかった(おそらくはコスト削減の副作用)、

と言っていいと思います。

音の鮮度、解像度、S/N比の向上、微妙な音の揺らぎや減衰のニュアンスが伝わってくるようになり、また低音の締まりとスピード感が増しました。

ネットワークの高品質化というのは、各ユニットに必要な周波数の信号の分配を、どれだけ劣化や余計な付帯音を防いで届けられるか、ですね。 

ノーマルではピアノの打鍵音がやや軽く聞こえるのが気になっていましたが、ネットワーク改造後は、ピアノの音のリアリティの向上が実感できます。

(といっても、ベーゼンドルファーVC2の足元にも及びませんが・・) かなり改善されているのは確かです。

ギターやチェロなどの弦を響きも豊かに感じられ、ノーマルのネットワークの時はスコーカーの活躍ばかりが目立っていた状態から、

ツィーター・ウーファーが倍音成分などの音の両エンドを良質に鳴らすようになった効果ではないか、と思います。

 

ネットワーク交換

 

私は20年近くこの31cmのウーファーはもっと鳴るのではないか、と潜在的に思い続けていたので、ウーファーのコイルの高品質化は必須事項でした。

またバイワイヤ化した低音部の配線は、アンプからユニットまで(内部配線を含めて)ACROLINKの6N-S1040Uで固めたところ、

(GS#79はソロなど音が少ない時は美しいけれども、オケなど複数の音が重なり合う時は、混濁気味になるようです。)

TANNOYのサブウーファーTS10が必要なくなるくらい、良い音質で鳴るようになりました。

(その影響で、スコーカー・ツィーターともに音量を上げてバランスをとる必要がありました。。可変アッテネーターを固定化しなくてよかったです。)

 

チェロアンサンブルサイトウ
〜低音の質のチェックの基準にしたCD〜   「 チェロ・アンサンブル・サイトウ G線上のアリア 」

 ネットワーク改造+低音用SPケーブル導入前には、音が厚くなっていくとモコモコと団子になって聞こえてしまいました。

解像度の高いはずの509u&SA1導入後もその印象が変わらなかったので、ついには録音のせいにしてみたりしましたが、

どうやらSPケーブル(Golden Strada#79)の弱点(低音の量的情報処理能力の不足)を突かれていたように思います。

交換後は、低音部にもそれぞれの表情が掴める音になり、交響曲など大編成ものが聴きたくなってきました。

 

当初考えていたイメージと違い、頭を悩ましたのが、交換によって巨大化するネットワーク(特にコイル)を納めるスペースがないことでした。

ノーマルのコア入りコイルを空芯コイル、箔巻きコイルに置き換えられれば、きっと音はよくなるのですが、5つのコイルのうち、3つの容量の大きいコイルを

もしコアなしにした場合、巨大なコイルの設置場所の確保が難しくなります。

そこで、直流でユニットの上流部にあるウーファー部のコイルには箔巻コイルを用い、スコーカー部の並列コイルは、ノーマルよりは太線ではあれども

やむなくコアいりコイルを用いることにしました。

(それでもネットワークはノーマルよりも面積は2倍、重量は1kg近く増加しています。)

 

このように中高音部と低音部のシステムを変えたりし始めると、「こっちが良くなると、あっちが気になりだす」という際限のない

チューニングの泥沼にはまっていきそうで恐ろしくもありますね。やはりなにごともホドホドが一番、かと。

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